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気をつけよう!マイコプラズマ感染症

気をつけよう!マイコプラズマ感染症

監修:独立行政法人 国立病院機構 九州医療センター呼吸器科顧問
やのクリニック 院長 矢野 敬文 先生

マイコプラズマ感染症とは?

マイコプラズマ ニューモニエという病原体(細菌とウイルスの中間の大きさと性質)が原因で気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こします。
肺炎の10~20%がマイコプラズマが原因によって起こると言われています。
発症年齢は5~14歳に多いと言われていますが、大人や乳幼児にも感染します。

流行時期
1年を通じて見られます。冬場にやや増加する傾向があります。
感染経路
  • 飛沫感染...口や鼻から感染します。咳や痰、唾液で人にうつります。
  • 接触感染...鼻やのどからの分泌物に触れることで感染します。
潜伏期間
体の中にマイコプラズマが侵入してから症状が出てくるまでの期間2~3週間
症状
咳・発熱・のどの痛み・痰・頭痛・筋肉痛・全身倦怠
初期症状は風邪とよく似ており、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感(だるさ)、発熱などです。発熱した後、1~2日遅れて咳が出てきて、だんだん強まっていくのが特徴で、最初は空咳で、だんだん痰がからんできます。
ほとんどの場合、発症してから5~7日ほどで症状が治まりますが、放置しておくと肺炎を引き起こし、重症化することがありますので、注意が必要です。

マイコプラズマ感染症の迅速診断

マイコプラズマは、RSウイルスなどの風邪や気管支炎、肺炎を起こすウイルスや細菌と症状が似ており、区別が難しいため、迅速診断キットを用いて判断します。
RSウイルスやインフルエンザウイルスでもなく、咳が中心の風邪症状であれば、マイコプラズマを疑い検査します。
マイコプラズマの検査は、検査の材料をのどから綿棒でぬぐい取るだけで簡単に行うことが可能です。検査の結果も15分くらいでわかります。
聴診しても、肺炎を疑う音に乏しいため、肺炎かどうかは胸部X線で診断する場合もあります。

マイコプラズマ感染症の迅速診断

マイコプラズマ感染症の治療

抗菌薬(抗生物質)を服用して治療します。
最近、マイコプラズマ感染症には効かない「耐性菌」が増えてきているため、通常使用されている抗菌薬では効果が得られないものもあります。
「耐性菌」に感染した場合は、抗菌薬の種類を変えて治療することもあります。個人差が大きく、軽症ですむ人も多いですが、早期に治療をしなかった場合は重症化することもあります。重症化した場合には、入院して専門的な治療が必要となります。

マイコプラズマ感染症の治療
マイコプラズマ感染症の治療

マイコプラズマ感染症が学校で流行した場合

感染の拡大を防ぐために必要に応じて学校長が学校医の意見を聞いて出席停止の措置をとることができます。
出席停止扱いになった場合には、医師から感染の恐れがないと認められるまでは出席できません。
この「出席停止」は法律で定められているため、欠席扱いにはなりません。
マイコプラズマによってかかる病気は学校保健安全法 第3種によって管理を受ける学校伝染病のひとつです。

マイコプラズマ感染の予防

くしゃみや咳で飛び散ったウイルスを吸い込んだり、鼻水のついた手で触ったタオルや食器で感染がひろがります。保育園・幼稚園・小学校などの集団感染にも注意が必要です。
また、家庭内でも兄弟や父母、祖父母に感染してしまうことがありますので家に帰ったら、手洗い、うがいを徹底しましょう。感染が拡がらないようにマスクを着用するなど感染対策をしましょう。

マイコプラズマ感染症の予防
マイコプラズマ感染症の予防
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