肺炎マイコプラズマ感染症

監修:川崎医科大学 教授 大石 智洋先生
肺炎マイコプラズマ感染症ってどんな病気?
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)と呼ばれる細菌に感染して起こる病気です。初期症状は風邪と似ていますが、せき症状が長く続くことが多いという特徴があります。


こんな症状が出た時は要注意‼
- 呼吸する時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」のような音が鳴る:喘鳴(ぜんめい)
- 呼吸がいつもより浅く速い、息苦しそう
- 痙攣(けいれん)している
- 意識がはっきりしない
- 顔色が悪い、唇が紫色になっている
- ぐったりしている
- 嘔吐や下痢をくり返している
- 食事や水分を摂取できない
1つでも当てはまる場合や、何かおかしいと思った時はかかりつけの医療機関、こども医療でんわ相談(全国同一の短縮番号#8000をプッシュ)等に連絡して相談してください。
誰でも感染するの?
幼児~学童期の子どもの感染が中心です。
患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人(高齢者以外)の報告も見られます。
また、マイコプラズマ肺炎は周期的に大流行を起こすことが知られています。以前は4年おき、夏季オリンピックが開かれる年に流行していました。しかし最近はそのような傾向がなくなり、数年に一度大きな流行を起こすようになっています。近年では2011~2012年、2016年に特に大きな流行が見られました。


感染した時はどうすればいいの?
下記のようなことに気をつけてください。


治療薬はあるの?
肺炎マイコプラズマには抗菌薬が有効です。
マクロライド系の抗菌薬が有効です。
しかしながら肺炎マイコプラズマには、マクロライド系抗菌薬が効きにくいタイプ(マクロライド耐性マイコプラズマ)が存在し、この耐性タイプに感染している場合は、マクロライド系抗菌薬を服用してもなかなか症状が改善しないことがあります。
検査でマクロライド耐性であることが分かっている場合や、マクロライド系抗菌薬を服用しても48時間以上解熱しない場合には、別の種類の抗菌薬(マクロライド系以外の抗菌薬)で治療が行われることがあります。


家庭内感染を防ぐには?
下記のようなことに気をつけてください。


肺炎マイコプラズマの検査とは?
検査はとても簡単!短時間で結果がでる検査もあります。
検査の材料を採取します


検査が行われます

検査結果と診断結果から医師が総合的に確定診断をします。
感染した時、学校などは何日間お休みすればいいの?
出席停止期間は、法令*で特には定められておりません。
いつから登園・登校できるかは主治医に相談してください。
*学校保健安全法施行規則改正:令和5年4月28日
