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ロタウイルスって知っていますか?

ロタウイルスって知っていますか?

監修:日本大学 医学部 微生物分野 上席研究員 牛島 廣治 先生

ロタウイルス感染症ってどんな病気?

ロタウイルスは冬から春にかけて乳幼児を中心におう吐や下痢を引き起こす代表的なウイルスです。
生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までにほとんどすべての子供が感染します。保育園・幼稚園・学校などで集団発生することもあります。

流行時期
おもに1月~4月
感染経路
経口感染が大部分です。感染経路がはっきりしない場合や集団の中での感染があります。
10~100個くらいのロタウイルスが口から入ることで感染します。ロタウイルスによる胃腸炎の患者の便1g中には100億個ものウイルスが含まれていることもあります。患者の便を処理した後、ウイルスが残っていることがあり、手洗いが不十分だと感染が広がることがあります。
潜伏期間
24~72時間
症状
おう吐・下痢・発熱・腹痛
主な症状はおう吐、下痢、発熱で腹痛などをともなうこともあります。
下痢は黄色の水溶便の他に米のとぎ汁のような白色の便が見られることもあります。症状は通常1週間程度続き、その後自然に治癒していきます。ただし、激しいおう吐や下痢により、急激に水分を失いますので、特に乳幼児では脱水症状に気をつける必要があります。

ロタウイルスの検査

ロタウイルスの検査は簡単です。
ロタウイルスの検査の材料(便)は、綿棒を直接、肛門に挿入して採取するか、排泄された便から採取します。検査の結果も5分くらいですぐにわかります。
ロタウイルス感染の診断は検査結果および臨床症状を考慮して医師が総合的に判断します。ロタウイルスの流行時期におう吐、下痢、発熱等の症状がある場合は早めに病院や医院を受診しましょう。


ロタウイルスの検査

ロタウイルスの治療

ロタウイルス感染症への特別な治療法はなく、特効薬もありません。このため、症状を和らげる補液、鎮吐薬や整腸薬などの対症療法が行われます。水分と栄養を補給することが大切です。
乳幼児は、おう吐、下痢による脱水症状(稀にけいれんや脳症)を引き起こすことがあります。


<参考>
少量(20ml位)の経口補水液を飲ませ、20~30分位繰り返します。その後おう吐がなければ、ゆっくり50~100mlを飲ませます。

ロタウイルスの治療

ロタウイルス感染の予防

感染した人の便やおう吐物にはウイルスが大量に含まれています。
次のことに気をつけて予防しましょう。

手洗い
ロタウイルスの予防 おむつ交換やトイレの後、食事や調理の前などには、せっけんを使いしっかりと手を洗いましょう。※30秒以上、繰り返し洗ってください。
ロタウイルスのワクチン
ロタウイルスの予防 日本では、ロタウイルスのワクチンは定期接種となっています。
ワクチンを接種することで、症状が重症化するのを防ぐことができ、集団内での感染を抑えられる効果があります。
便やおう吐物の処理
ロタウイルスの予防 素手で触らず、必ずビニール手袋、マスク、エプロン(ガウン)を着用してください。
雑巾、タオル等でおう吐物、下痢便をしっかりふき取ってください。ふき取った雑巾、タオルはビニール袋に入れて密封し、捨てることをお勧めします。
おう吐物の消毒は市販の塩素系消毒剤(漂白剤)を希釈したものを使用してください。(次亜塩素酸ナトリウム0.1%または1000ppm)
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