RSウイルスとヒトメタニューモウイルスから子供を守ろう!
監修:川崎医科大学 教授 大石 智洋先生
RSウイルス感染症とヒトメタニューモウイルス感染症ってどんな病気?
感染するウイルス*は異なりますが、症状が似ています。
RSウイルス感染症もヒトメタニューモウイルス感染症も、特効薬がなく重症化しやすいので要注意です。
*RSウイルス感染症の場合はRSウイルス、 ヒトメタニューモウイルス感染症の場合はヒトメタニューモウイルスに感染します。
こんな症状が出た時は要注意‼
- 呼吸する時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」のような音が鳴る:喘鳴(ぜんめい)
- 呼吸がいつもより浅く速い、息苦しそう
- 顔色が悪い、唇が紫色になっている
- ぐったりしている
- 意識がはっきりしない
- 痙攣(けいれん)している
- 食事や水分を摂取できない
- 嘔吐や下痢をくり返している
- おしっこの量が少ない
- 手足の先が冷たい
1つでも当てはまる場合や、何かおかしいと思った時はかかりつけの医療機関、こども医療でんわ相談(全国同一の短縮番号#8000をプッシュ)等に連絡して相談してください。
誰でも感染するの?
RSウイルスは2歳までにほぼ100%感染します。
ヒトメタニューモウイルスも10歳までにほぼ100%感染します。
一度感染しても十分な免疫を得ることができないので再感染もしますが、成長に伴い重症化率は低下します。
どんな人が重症化しやすいの?
下記のような人が特に重症化しやすいので注意してください。
- 新生児(特に低体重児)や乳幼児
- 高齢者
- 免疫不全、心肺系疾患、神経系疾患などの基礎疾患がある方
感染した時はどうすればいいの?
下記のようなことに気をつけてください。
家庭内感染を防ぐには?
下記のようなことに気をつけてください。
治療薬はあるの?
RSウイルス感染症もヒトメタニューモウイルス感染症も今のところ特効薬がありません。
RSウイルス感染症については、高齢者や妊婦向けのワクチン*や基礎疾患のある、または早産の乳児を対象とした重症化を予防するための抗体製剤**があります。
- ●ワクチン*
接種すると身体の中で抗体が作られます。 - 日本では2023年に初めてRSウイルス用のワクチン(60歳以上対象)が承認を受けました。
また、2024年には妊婦対象のRSウイルスワクチンが初めて承認されました。(2024年1月現在) - ●抗体製剤**
抗体そのものを接種します。 - 接種対象は、重症化リスクが高い一部の新生児、乳幼児に限られます。
ワクチンと抗体製剤の詳細については医師にご相談ください。
RSウイルスやヒトメタニューモウイルスの検査とは?
検査はとても簡単! 数分で結果が出ます。
検査の材料を採取します
検査の材料を採取します
検査結果と診断結果から医師が総合的に確定診断をします。
感染した時、学校などは何日間お休みすればいいの?
RSウイルスやヒトメタニューモウイルスに感染した場合の出席停止期間は、法令*で特には定められておりません。
いつから登園・登校できるかは主治医に相談してください。
*学校保健安全法施行規則改正:令和5年4月28日