溶連菌感染症ってどんな病気?
監修:公益財団法人ライフ・エクステンション研究所付属 永寿総合健診・予防医療センター 部長 三田村 敬子先生
溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症とは、A群β溶血連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。
- 流行時期
- おもに11月~4月
- 感染経路
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- 飛沫感染(口や鼻から感染)…咳やくしゃみ等で飛び散った菌を吸い込むことで感染します。
- 接触感染(皮膚から感染)…皮膚と皮膚が触れたり、タオルや食器等を介して感染します。
- 潜伏期間
- 約2~5日
- 一般的に2~10歳の子供に感染しやすい病気です。大人でも感染します。
- 一度感染して治っても、繰り返しかかります。
- 薬をきちんと服用すれば、24時間以内に感染力がほとんどなくなります。
- 症状
- 発熱・のどの痛み・腹痛・発疹・苺舌※・吐き気
これらの症状が全てあらわれるわけではなく、人により症状は異なりますが、高熱、のどの痛みが出て、扁桃腺が腫れ、その後、全身に発疹が出たり、舌にイチゴのようなブツブツが現れるのが特徴です。
※苺舌...舌の表面に赤いブツブツができること。
溶連菌感染症の検査
溶連菌感染症の検査は簡単です。
溶連菌感染症の検査は、検査の材料をのどの奥から綿棒でぬぐい取るだけで簡単に行うことができます。検査の結果も5分~10分くらいですぐに分かります。
溶連菌感染の診断は検査結果および臨床症状を考慮して医師が総合的に判断します。
溶連菌感染症の流行時(11月~4月)は、風邪かな?と思ったら早めに病院や医院を受診しましょう。
溶連菌感染症の治療
薬はペニシリン系やセフェム系の抗生剤が有効です。
薬をきちんと服用すれば、2~3日で症状がよくなりますが、よくなったからといって薬の服用をやめてしまうと、再発し、急性腎炎・リウマチ熱・血管性紫斑病・中耳炎・気管支炎などの合併症を引き起こすこともあります。必ず、処方された期間は薬を服用しましょう。
登園・登校について
溶連菌感染症は、学校保健法によって管理を受ける「条件によっては出席停止の措置が必要な病気」の一つです。
少なくとも、受診した日とその翌日は出席停止が求められています。
抗生剤服用24時間以上経て全身の状態が良ければ登校可能です。