溶連菌感染症

監修:川崎医科大学 教授 大石 智洋先生
溶連菌感染症ってどんな病気?
主にA群β溶血性レンサ球菌という種類の細菌に感染して起こる病気です。下記のように様々な症状を引き起こしますが、重症化すると非常に怖い感染症です。溶連菌は種類が多いので、一度感染しても別のタイプに感染することがあります。


こんな症状が出た時は要注意‼
- おしっこに血液(赤色や褐色や黒っぽい色)が混じっている
- 手足などがむくんでいる(浮腫)、手足が痛い
- おしっこの量が少ない
- ごはんや水を摂取できない
- 嘔吐や下痢をくり返している
- 顔色が悪い、唇が紫色になっている
- 呼吸がいつもより速い、息苦しそう
- ぐったりしている
- 意識がはっきりしない
- 痙攣(けいれん)している
- よだれを垂らす
- 喉を強く痛がる
1つでも当てはまる場合や、何かおかしいと思った時はかかりつけの医療機関、こども医療でんわ相談(全国同一の短縮番号#8000をプッシュ)等に連絡して相談してください。
重症化することはあるの?
主に成人において「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれる、敗血症症状、軟部組織炎、壊死性筋膜炎などの重篤な症状を示す場合があります。

合併症はあるの?
主にこどもにおいて溶連菌感染症は、腎炎、リウマチ熱*、血管性紫斑病などの合併症を引き起こすことがあります。
腎炎は溶連菌感染症にかかって2週間以降に発症しますので、以下の症状があったら速やかに主治医にご相談ください。
- おしっこに血液(赤色や褐色や黒っぽい色)が混じっている
- 手足などがむくんでいる(浮腫)、手足が痛い
- おしっこの量が少ない
*リウマチ熱は抗菌薬の服用で発症を防ぐことができます。

感染した時はどうすればいいの?
下記のようなことに気をつけてください。


治療薬はあるの?
溶連菌には抗菌薬が有効です。
ペニシリン系・セフェム系などの抗菌薬が有効です。再発・重症化を防ぐために、抗菌薬をきちんと服用することが重要です。
抗菌薬をきちんと服用すれば、24時間以内に感染力はほとんどなくなり、2-3日で症状がよくなります。
しかし症状がよくなったからといって自己判断で抗菌薬の服用を中断してしまうと、再発し、合併症を引き起こすことがあります。


家庭内感染を防ぐには?
下記のようなことに気をつけてください。


溶連菌の検査とは?
検査はとても簡単!短時間で結果が出ます。
検査の材料を採取します


検査が行われます

検査結果と診断結果から医師が総合的に確定診断をします。
感染した時、学校などは何日間お休みすればいいの?
出席停止期間は、法令*で特には定められておりません。
ガイドライン等**では、抗菌薬を服用して24時間以上(保育所は24~48時間以上)経過し、全身の状態が 良ければ登校(園)可能という目安が定められています。
いつから登園・登校できるかは主治医に相談してください。
*学校保健安全法施行規則改正:令和5年4月28日
**「保育所における感染症対策ガイドライン」こども家庭庁 令和5年5月一部改訂
「学校において予防すべき感染症の解説」公益財団法人日本学校保健会 平成30年3月発行
