ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス/ロタウイルス/アデノウイルス)

監修:川崎医科大学 教授 大石 智洋先生
ウイルス性胃腸炎ってどんな病気?
ウイルスに感染することで起こる胃腸炎のことをウイルス性胃腸炎と呼びます。
ウイルス性胃腸炎を引き起こしやすいウイルスには、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等があります。


こんな症状が出た時は要注意‼
- 意識がはっきりしない
- ささいな刺激に過敏に反応する
- 目が落ちくぼんでいる
- 下痢や嘔吐を半日~1日以上くり返しており、水分・電解質を摂取できない
- 手足の先が冷たい
- 呼吸が荒い
- 脈が速い
- ぐったりしている
- 手の甲や腕の皮膚を軽くつまんだ後に離すと、つまんだ箇所にできたシワが2秒以上残る
1つでも当てはまる場合や、何かおかしいと思った時はかかりつけの医療機関、こども医療でんわ相談(全国同一の短縮番号#8000をプッシュ)等に連絡して相談してください。
感染した時はどうすればいいの?
下記のようなことに気をつけてください。


治療薬はあるの?
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、に対する特効薬は今のところありません。
症状に対する対症療法が行われます。軽症~中等症の脱水に対する対症療法として「経口補水療法」*が行われることがあります。*水、電解質を口から補給する治療法
また、ロタウイルスについては、胃腸炎を予防するための経口ワクチン(乳児用)があります。(生後早期の乳児のみが対象)


家庭内感染を防ぐには?
下記のようなことに気をつけてください。


ウイルス性胃腸炎の検査とは?
検査はとても簡単!短時間で結果が出ます。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスによる胃腸炎が疑われる場合、抗原検査が行われることがあります。
検査の材料を採取します


検査が行われます

検査結果と診断結果から医師が総合的に確定診断をします。
感染した時、学校などは何日間お休みすればいいの?
出席停止期間は、法令*で特には定められておりません。
ガイドライン等**では「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること」「下痢、嘔吐症状が軽減した後、全身状態の良い者は登校(園)可能」いう目安が定められています。
いつから登園・登校できるかは主治医に相談してください。
*学校保健安全法施行規則改正:令和5年4月28日
**「保育所における感染症対策ガイドライン」こども家庭庁 令和5年5月一部改訂
「学校において予防すべき感染症の解説」公益財団法人日本学校保健会 平成30年3月発行
