妊娠・検査について
妊娠のしくみ
- 1. 排卵
- 卵巣内の未成熟の卵子は、おおよそ1ヶ月に1回成熟して、卵巣から卵管へ放出されます。
- 2. 受精
- 排卵した卵子が卵管で、精子と出会うと受精卵ができます。
- 3. 着床=妊娠の成立
- この受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら、卵管内を移動し子宮内膜にもぐりこみます。
妊娠とホルモン分泌の推移
尿中hCGの推移
卵子と精子が出会い、精子が卵子の中に入り込んで核と核が融合すると受精が成立します。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮腔へ移動し、6~7日目には子宮内腔に付着し潜り込みます。これが着床といい、臨床的には着床をもって妊娠の成立とみなします。
受精卵が着床して妊娠が成立するとそこから絨毛が発生し胎盤を形成します。この胎盤からhCGと呼ばれるヒト絨毛性性腺刺激ホルモンが分泌され、血中および尿中でhCGが検出されるようになります。その後尿中hCGは妊娠8~12週にピークに達し、以後出産するまで検出されます。
妊娠初期診断の重要性
妊娠を早く知ることはとても大切です
妊娠を少しでも早く知ることは、母子の健康に気を配るためにも大切なことです。妊娠3週目あたりから胎児の脊髄がつくられはじめ、続いて頭の形も整い、心臓も鼓動を打ちはじめます。妊娠4週目あたりには心臓、血管が形成され、8週目あたりには人間の姿ができます。
このように妊娠初期は胎児にとって主要な器官がつくられる重要な時期で、外部からの悪影響(X線、薬、たばこ、アルコール)を受けやすい時期であり、妊娠12週までは流産しやすい時期でもあります。
従って、胎児の健康な発育と、母体の健康にとっては妊娠をできるだけ早く知り、栄養摂取や薬の使用に十分に気をつけるとともに飲酒、喫煙を避け、風疹等の感染症や放射線照射(レントゲン)などに注意することが大切です。
妊娠と検査時期
妊娠検査薬のしくみ
妊娠検査薬は妊娠したときに分泌されるhCGというホルモンが尿中に含まれているかどうかを検出する試薬です。このhCGは妊娠(受精卵の着床)後、徐々に分泌され、生理予定日を過ぎた頃に急激に増加します。生理予定日1週間後から検査するとはっきりとした赤紫色のラインが表れますが、 生理予定日やその前に検査すると、hCGがごくわずかなので妊娠していても陰性になる可能性があります。
妊娠検査薬での検査は、生理予定日1週間後からをお勧めします。
月経周期には個人差があり、全ての人にあてはまるわけではありません。